先日、中日文化センター主催の講演会「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」に行ってきました。
体調不良もあって行くのもどうしようかと悩んだ講演でしたが、結果は本当に行ってよかった!
面白い内容が聞けたので、自分の備忘録がてら記事にしておきたいと思います。
会話は全部覚えていられず、ニュアンスとして受け取っていただければ幸いです。
長いので文字、詰め詰めです…。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんのミュージカル俳優になるまで
会場にはまず篠崎プロデューサーから登場。これまでに関わった作品も紹介。その後、上原理生さんが登場。
「マイクがいらない声量ですよね」とプロデューサーからいじられ、そんなことはとマイクなしで話始める。そんなサービス精神満載な人だったのかとびっくり!
2人は1789でご一緒し、大阪では小池徹平さんと飲みに行った話を最初にちらりとしてくれました。
そこから、上原理生さんのミュージカル俳優になるまでの生い立ち話へ。
高校生時代はロックンローラーになりたく、軽音部に入部しようとするも、担任から合唱部を勧められ、そのまま入部することに。その合唱部で声楽をやらないかと勧められ、すごく口説かれたとのこと。そして東京芸大の声楽科に入ることになった。
大学受験の勉強しかしてこなかったので、入学してから音楽やクラシックのことが全然わからず、話についていけなかったそう。
そんな中ミュージカル好きの同級生が多く、自分たちでやったり、連れて行ったりしてもらったとのこと。
ロックンローラーを諦めていなかったことと、クラシックの良さに気づき始めていた自分には、その融合体であるミュージカルは自分に合っているんじゃないかとレミゼオーディションを受ける流れになった。
その頃、芸大大学院に浪人していたらしく、レミゼオーディションに受からなかったらどうなっていたかと思うとこぼしていた。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんのレミゼデビュー話
オーディションは、日本で決めてくださいというパターンと、本国にお伺いをするパターンがあるらしく、レミゼは後者。テープ審査を通た人の映像を本国に送ることになっているそう。すごい数のテープを歌唱指導の人が聞き、大変な作業なのだとか。
上原理生さんはアンジョルラスで応募。実は学校でやっていたりしてチート状態でしたと笑う。でもすごく緊張したそう。
1回目に『1日の終わり』を歌い、2回目にアンジョルラスの歌を歌った。
1回目の時に、続けて2回目があると思い適当に歌ったら、2回目は受かった人のみということで何ということしてしまったのだと焦った。受かってて良かった。
稽古とか、右も左もわからなくて、何も覚えていない。プロデューサーがダブルキャストの話を面白おかしく聞き出そうとするも、全然余裕はなかったとのこと。
レミゼの幕が開けた初日。めちゃくちゃ緊張した。ABCカフェのシーン「群れとなりて~♪」を歌った後、客席からの拍手を聞いてホッとし、舞台を楽しめるようになった。
恩師青井洋二さんの言葉に「拍手は人を育てる」という言葉があり、本当にその通りだと思う。皆さん、応援したい相手にはどんどん拍手をしてあげてください。
この話に少しジーンとしました。
【ここで映像を紹介】まさに理生さんがデビューしたというABCカフェのシーン。2011年なので、まだ新演出版になる前のレミゼ。盆が回ってABCカフェが登場する。
映像を見て理生さん。デビューにしては良いんじゃない?(ニマ)
映像に今もレミゼをやってる面々がいてとても嬉しくなった。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんのロミジュリの話
次のお話は、ロミオとジュリエット。レミゼの次はロミジュリだったらしい。理生さんにとって初小池作品。
実は大学で小池先生の授業を聞いていたらしい。同級生が大の宝塚好きで絶対に授業を取った方がいいよと言われたから。しかし聴講生として取った。学生が作品を作る授業で、聴講生なのによくキャスティングされた。面識があったということになるのかな?ロミジュリに呼んでもらえた。
オーディションはベンヴォーリオとティボルトで。小池先生からどっちがやりたいんだと笑われ、ティボルトですと答えるとまた笑われた。
ティボルトはまたやりたい。デビューして2,3作品目だったからやり残したことがたくさんある。今ならもっと面白くできるのにと。
【ここで映像を紹介】ロミジュリのティボルト。
映像を見て理生さん。背が高く見えるなー。そうね、スラっとしてたねとプロデューサー。尚も悔しがる理生さん、右も左もわからない感満載。もっといろいろできたのにな。使って欲しいなー。お願いしますよー。小池さんにも言ってるんですけどね…。「キャスト若返ってるしね、今ならお父さん役になっちゃうんじゃない?」というプロデューサーだけど、現在のティボルト役の二人が理生さんより年上とわかっていけるんじゃない!?と声をあげていた。
理生さん、なんか貫禄があるから、そんな若かったのかとびっくりしました。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんのミスサイゴンの話
次はミスサイゴン。大作続きですごいね!とプロデューサー。学生時代にブイドイを聞いて感動し、いつか歌いたいなと思っていた曲。
【ここで映像を紹介】ミスサイゴンからブイドイ
しかし一時、映像が流れなくて焦るプロデューサー。客席から暴動が起こるんじゃないかとまで焦り倒してようやく再生にこぎつけホッとする様子。
前回の時もそうだったけど、ファンのこと怖がり過ぎてて面白い(笑)
映像を見て理生さん。若い~。この曲が一番好き。後ろの映像も実際のものを流していて良い。この作品に関われて良かった。演出家のダレンにすごく恩を感じている。基盤を教えてもらい舞台で生きることを勉強させてもらった。今もその言葉が自分を支えている。優しくて熱い人、一緒に泣いてくれたりもした。ターニングポイントになった作品。どうやら前回の公演で99回だったらしく、あと1回やらせてほしい。
【ここで映像を紹介】ベローナの二紳士から
こんなのもやりましたということで、ベローナの二紳士の紹介も入る。宮本亜門は天才肌なのかなと感じた。美味しい演出をつけてもらった。私はこの作品を観ていないけど、アラブ貴族のようないで立ちで、かっこつけて歌うキャラ。いったいどんな気持ちで歌ってるの?と問うプロデューサに、ろうろうと歌うオペラ歌手と返す理生さん。裸にもなって恥ずかしかった。もう怖いものはなくなった。ある意味ターニングポイントになった作品。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんの1789の話
ダントン、すごく楽しかった!愛らしいキャラ。
プロデューサも理生にピッタリだったと大絶賛。プロデューサ曰く、小池さんとパズルのように当てはめた作品。出来上がり像が小池さんの頭の中にしかなくて、台本がなかなか来ないのにキャストを決めなくてはならないのが大変だった。
【ここで映像を紹介】1789からパレロワイヤル。2016年と2018年でダントンのフリが少し違うらしくその部分も見せてくれた。
映像を見て理生さん。楽しかった。みんなよく踊った。いい作品。パレロワイヤルが一番好きというダンサーが多くて嬉しかった。
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」上原理生さんへの質疑応答
ひと通りトークが終わって、理生さんが感想を。
舞台芸術ってアナログなんだなってこの8年やってきてよく感じる。一瞬にかける思いが糧となっている。人がセットを押していたり、小道具をいちから作ったりと…。
これからは人間じゃない役をやってみたい。(ダンスオブヴァンパイアのチラシを指さしながら)吸血鬼とか、ジキハイとか!
最後に質疑応答がありました。
「ストプレとミュージカルの違いは?」
ストプレはまだ魅力を語れるほどのものがないけど、ミュージカルなら。音楽は人が言葉であらわせられないものを表す力がある。
「今まででテンションの上がる舞台美術はどれだった?」質問者は舞台美術を勉強したい芸大生でした!
1789かな!(すかさず「良かった~一番お金かかった!」とこぼすプロデューサ)降りてくる金網?がすごいと思った。民衆をつぶしている王宮と民衆を分けるという表現。小池さんのこだわり。トークショーで登って、とてもテンションが上がった。でも1789だけに限らず、舞台美術はそれぞれどの舞台にも素晴らしいメッセージが込められている。舞台美術も楽しんでください。
「四季や宝塚からやりたい役を選ぶとしたらどれ?」
四季ならファントムをやりたい!ミュージックオブザナイトを歌いたい!
宝塚なら、ひかりふる路のダントンをやりたい!これは1789の後日談。映画のオマージュも入ってて素晴らしい。
知らなかった~!これは見てみたい~~~~~!!
「プロデューサーがお教えするミュージカルの楽しみ方」を聴いて、ますます好きになった
そんなこんなであっという間の1時間半。
私の中で、2011年のレミゼ千秋楽の理生さんのぼそぼそと喋るイメージで止まっていたので、とてもよく話す理生さんに驚いた時間でした。これまでにロミジュリや他でも喋る理生さんを観ていると思うんですが、ぼそぼそと喋るギャップがよっぽど印象づいてたということでしょうか。
話も単純に面白いだけでなく、舞台の裏側の興味深い話もあったりととても有意義な時間でした。
ありがとうございました。どなたかのお役に立てたら嬉しいです。
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